スキル

プレイングマネージャの時間管理術 – 管理と業務を両立するプランニング

プレイングマネージャは、とにかく時間に追われています。

実際、私も以前は毎月80時間くらい残業していたのですが、この取り組みにより30時間程度まで削減することができました。

みなさまの作業負荷が下がるヒントになれば幸いです。

プレイヤーと管理職の平行業務は時間管理が難しい

会社で働いている中間管理職、例えばマネージャや課長と言われている人は多忙というイメージがあります。

実際、私もマネージャとして現場とメンバの管理のため、本当に目が回る忙しさでした。

私の場合はマネージャとして次の役割を担っていました。

  • プレイヤーとしての業務
  • 会社の組織運営
  • チームメンバとのコミュニケーション

この状況、みなさん(または周りの上司)も同様ではないでしょうか。

当時、新米マネージャだった私はプレイヤーか管理職のいずれかに専念させてほしい、と上司に相談したことがあります。

当然、そのような要望が通るわけないのですが。

そこで、時間に忙殺される原因と対策について考え、実行しました。

時間管理方法

自分の作業計画を作る

システム開発のプロジェクトを立ち上げる時、我々はプロジェクト計画書を作成します。

同じく、プログラムを作成するときは設計書を書きます。

アジャイルであればスプリント計画などです。

何かしら作業を進めるためには計画や設計を行います。

ここで考えてほしいのです。

あなたは自身の作業に対して計画を立てていますか?

TODOやスケジュール作成だけではなく、自身の限られたリソース(時間)の利用計画です。

例えば、一人の月間作業時間(残業時間20時間)を算出します。

20日×8時間+20時間=180時間/月

つまり、一人の1か月分のリソースは180時間です。

この限られたリソースの中から、先に述べたプレイヤーとしての作業、組織運営、チームのコミュニケーションで利用する時間を割り当てます。

1.固定で埋められる時間を算出する

決まった会議やグループ運営などで取り決めている作業といった固定で発生する時間を計算します。

例えば1か月分の固定作業を以下のように見える化します。

作業 発生頻度 時間
1on1 4名×1時間 4時間
チームミーティング 週1時間×4回 4時間
メンバからの個別相談枠 週2時間×4回 8時間
勤怠管理業務 週1時間×4回 4時間
伝達事項の連絡 週1時間×4回 4時間
部内ミーティング 週2時間×1回 2時間
部内の委員活動 週2時間×2回 4時間

この場合、月間30時間は固定で確保する必要があります。

2.リソース時間から固定時間を差し引く

算出した固定時間を差し引くことで、プレイヤーとして利用できる時間が出てきます。

では単純に180時間から30時間を差し引いた時間を業務に充てられるかというと、そうではありません。

業務中、必ず予期しない突発作業が発生するため、このリスクを予定の中に計上します。

これを計画に入れないと、何かあるごとに残業時間に加算されていくことになります。

このリスク時間ですが、どれくらい時間を積めばよいのか、については状況次第です。

正直、完璧に読めないので想定でよいです。

仮に20時間を積んだ場合、プレイヤーとして動けるのは130時間となります。

この130時間でプレイヤーとしての予定を計画していきます。

どうしてもプレイヤーとしての時間が足りないのであれば

  • 誰かに作業を依頼する
  • 固定枠の時間を減らす

という対策が必要になります。

例えば優先度の低い会議を減らすとか、誰かにヘルプといった調整です。

そもそも、上記のような時間を算出して不足時間を算出しないと、このような調整をすることもできないと思います。

この調整結果をもとに、より詳細の日程スケジュールを作成していきます。

メンバからの相談に優先度をつける

部下ができると、日常的に相談を受けます。

この相談を受けるための時間も固定枠として確保しておきます。

※上記の表でいう「メンバから個別相談枠」のこと。

この相談事を受けるときに、対応の優先度を確認することは大切です。

よくあるのが全ての相談事に対して最優先で対応しようと頑張る方がいます。

メンバとしてはありがたい話ですが、自身の作業と優先付けするべきです。

緊急対応中や、集中力が必要な作業をしているときは、メンバに「急ぎの案件か」を確認したうえで直ぐに対応するか後で対応するか確認するのがよいでしょう。

終わりに

プレイヤーとマネジメントの両立は非常に大変です。

そのため自身の作業に対する計画をしっかり立ててコントロールする必要があります。

計画を立ててみると、優先度の低い会議など発見することができます。

作業の整理を行っていくことで、本当に必要な作業を明確にすることができます。