【目次】
・はじめに
・会議が無駄に感じる理由
・会議テクニック10選
- 情報共有だけの会議は行わない
- 参加者は必要最小限にする
- 事前課題を展開する
- アジェンダを事前送付する
- 会議の目的とゴールを明確にする
- 発言のルールを決める
- 意思決定権が誰か明確にする
- ファシリテーションを行う
- リーダは「話す」より「聴く」
- ラップアップを行う
はじめに
システム開発だけではありませんが、会議や打ち合わせは日常的に発生します。
チームで行動したり、何か目標に向かって活動する場合、調整や検討を行うために人を集めて意思統一したり情報共有することは重要です。
しかし実態として参加するメリットを感じない会議は多く存在します。
会議の目的を達成することができず、多くの工数を消費するだけの結果になることもあります。
せっかく時間を使って開催するのであれば有意義にしたいものです。
今回は、会議を行うために実施すべき10のポイントについて解説します。
会議が無駄に感じる理由
会議についてwikipediaで検索すると次のようにあります。
「関係者が集まり、特定の目的(議題)に関して意見交換・審議し、合意・施策などの意思決定をすること」
つまり会議の本質は「意思決定」を行うことです。
会議が無駄に感じるのは、次のどれかに当てはまるからだと考えられます。
- 何も意思決定がされない
- 意見を求められない
- 会議の目的がわからない
- 必要以上に時間を取られる
上記から「目的がはっきりしておらず、大勢の人が長時間拘束された結果、何も決まらない会議」というのが、もっとも非効率な会議と言えます。
逆に会議を短時間で精度の高い意思決定されれば、有意義な会議と言えます。
このような質の高い会議を目指すための方法について解説します。
会議テクニック10選
1.情報共有だけの会議は行わない
前述したとおり、会議の目的は意思決定を行うことです。
そのため意思決定につながらず、単純な連絡事項を伝えるだけの会議なら開く必要ありません。
連絡事項をまとめてメールやファイルなどで共有すればよいです。
口頭で説明しないと難しい内容もあるかもしれませんが、そのようなケースは稀です。
資料で展開し、読んでもらう方が効率よく、伝達という目的は達成できます。
次に進捗会のような報告会について考えます。
報告内容をもとに議論して次のアクションを生むような場であればよいのですが、ただ報告書を読んで終わるような会議であれば必要ありません。
それこそ報告資料をデータで配布し、リーダが読めば事足ります。
メンバの時間を無駄にしないため、会議をやめるか、またはコミュニケーションを活性化して意思決定の場となる会議にするか選択します。
2.参加者は必要最小限にする
少しでも関係あると思われるメンバを、とりあえず全員出席させる場合があります。
話をするのは一部の人だけで、ほとんどの人は話を聞いている会議です。
もし参加者が10人いたとして、議論に参加しているのが2名だったとします。
残り8名は話を聞いているだけで、生産性のない時間を過ごすことになります。
それなら2名だけで議論した内容を議事録にして展開したほうがよいです。
会議が1時間だとすると8時間も時間を無駄していることになります。
全員に意見を聞いたり、意思決定の立ち合いなど参加必須であればよいのですが、ただ会議に呼んで同席させるだけであれば不参加にします。
決定事項は、議事メモを展開するだけで十分です。
参加しないと当事者意識が出ないという話もありますが、そもそも発言しないのであれば参加していても変わりません。
3.事前課題を展開する
何かしら決めたい事があり会議を開くとします。
会議が始まってから諸々の説明をして「さぁ、意見を聞かせてください」という流れを多く見ます。
このように、会議の中で説明を受けた直後に的確な意見を出すことができるでしょうか。
説明されているときは話を理解することで手一杯で、そこから適格な意見を出すのは難しいでしょう。
会議は参加者が議論することに意義があります。
そのような事態を回避するため、参加者には事前に会議内容をインプットすることが有効です。
具体的には、会議の開催通知を連絡するときに会議の主旨や説明を展開します。
また会議までに各自で検討してほしいことを伝えることで、メンバ間の意見交流に注力することができます。
4.アジェンダを事前送付する
会議の開催通知に合わせてアジェンダを展開します。
アジェンダには以下の内容を記載します。
- 会議名
- 開催日時、場所
- 参加者
- 会議の目的
- 議題と時間配分
参加者はアジェンダを確認することで会議内容を知ることができます。つまり事前準備や情報整理を行う時間がとれます。
逆にアジェンダがない場合、参加者は「どんな会議だろう」という状態からスタートします。
この両者を比べたら、どちらが良い議論ができるか一目瞭然です。
このアジェンダで注目すべきは議題と、その時間配分です。
例えば、この議題は10分、こちらは20分 のように時間枠を設定します。
会議では、この時間に沿うように進行します。
中には「様々な意見を聞きたいから時間を設けない方がよい」という意見もあります。
気持ちはわかりますが、残念ながら時間は有限です。
そのうえ決めなければいけない議題は山積しています。
会議の内容にはメリハリをつけるべきです。
フリーディスカッションが必要な会議であれば、それに沿った形で時間の計画を立てるべきです。
5.会議の目的とゴールを明確にする
会議の目的とゴール(決定すること、アウトプットするもの)を明確にします。
この目的とゴールは、会議に参加しているメンバが見える場所に書くことをお勧めします。
そこで有効なのが、ホワイトボードの隅に目的とゴールを書いて参加者が見えるようにします。
もしくは紙に印刷して配っても良いでしょう。
議論が紛糾したり迷走したとき、目的とゴールを振り返ることで会議の進み方を軌道修正することができます。
6.発言のルールを決める
会議の進め方にルールを決めることで、進行をスムーズにすることができます。
- 人が話をしているときに遮って話し始めない
- 違う意見に指摘はしても否定はしない
- 先に結論を言ってから理由を話す
- 簡潔に話す
これは例ですが、ルールをあらかじめ決めることで、全員が気持ちよく会議に参加することができます。
初めて会議に参加するメンバには忘れず伝えるようにしましょう。
7.意思決定権が誰か明確にする
会議は意思決定するために行います。
この決定を行うのが誰なのか明確にする必要があります。
議論が無駄に長引いたり、結局何も決まらなかったりするのは、決定する人が明確になっていないからです。
この決定権を持つのはリーダ、また多数決で決めるルールとするならファシリテーター(進行役)が段取りをします。
意思決定権が誰もいない場合、何も決まらずにフワッとした結果で終わることになります。
そうならないためにも、最後に判断する人が必要です。
もし決定に責任を取れる人がいなければ、意思決定できないので会議する意味ありません。
会議に決定権を持つ人は必ず参加してもらいましょう。
8.ファシリテーションを行う
ファシリテーションとは「会議を円滑に進めるための技法」です。
ファシリテーションは以下のことを意識して会議を進行します。
- 会議の事前準備(アジェンダ作成含む)
- 効果的な意見を引き出すためのコミュニケーション
- 意見の発散と収束、軌道修正、コントロール
- タイムキーパー
- 意見を合意形成する
タイムキーパーとは、アジェンダに記載している時間配分を意識して進行することです。
会議の中では意見を出し(発散)、その意見を整理してまとめます(収束)。
時間を見ながら進行しないと結論に至る前に会議終了します。
目的は結論を出すことなので、時間配分に注意する必要があります。
9.リーダは「話す」より「聴く」
リーダは積極的に議論するのではなく、聴く側に徹するのが望ましいです。
参加者に上下関係がある場合、リーダの反対意見を言わないメンバというのが出てきます。
まして意思決定者が主張するのであれば、参加者が意見を言っても仕方ないと思われます。
またリーダが参加者の意見に対して「それは違う」と言われたら、参加者は意見を言うことをやめるかもしれません。
もしくは「リーダが言うなら、それでいい」と考えられても困ります。
もしリーダがメインで話してばかりの会議が多いと感じるのであれば、一度、聴くことに専念してはいかがでしょうか。
何も意見が出ないようであれば「あなたはどう思いますか」と話題を振るのもよいでしょう。
今までの会議とは少し違った雰囲気になると思います。
10.ラップアップを行う
会議が終わる直前にラップアップ(振り返り)を行います。
ここでは、会議で出た決定事項、課題、次のアクションを振り返ります。
また参加者で理解していない部分があれば補足することも大切です。
つまり会議のアウトプットを明確にします。
このアウトプットのために会議を行うのですから、メンバ間で認識齟齬がないように明確化します。
できれば会議の進め方でよかったことや改善点があれば、それを伝えると良いです。