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テレワークのマネジメント方法【対面マネジメントと違うポイント】

テレワークが普及することで、チームのマネジメント方法にも変化が出てきました。

テレワークの是非については様々な意見があると思います。
それはテレワーク活用のメリット/デメリットがあり、また従来のマネジメント方法では対応できない問題が出ているからだと思います。
実際、マネジメントがうまくできずに悩んでいる人が大勢いるのではないでしょうか。

私も全面テレワークとなっときにマネジメントが空回りして悩みました。
チームの一体感が薄れていき、その影響が生産性にも出るようになっていました。
以前と同程度の生産性に戻るまで、色々と試行錯誤をしたものです。

そのような経験もふまえて、テレワーク向けのマネジメント方法について解説したいと思います。

テレワークによって変わること

テレワークのマネジメント方法を考える前に「テレワーク導入によるメンバへの影響」について整理します。

メンバの自立行動が求められる

テレワークでは、周囲に上司や仕事の関係者がおらず、逐一指示を出すことは難しいです。
機械的な単純作業だけ求められるなら指示して結果を待てば良いですが、メンバに役割を与えるような業務であれば、メンバが自ら考えて行動して業務遂行することが求められます。
自立した行動ができなければ、周囲から安心して仕事を任せられません。

自由に動きやすい分、しっかりと成果を出すための行動をとる責任が求められます。

率先してコミュニケーションを取る

作業場所が異なるため、上司や仕事の関係者に声をかけてよいタイミングかわかりません。
また質問相手のスケジュールに1日びっしりと予定が埋まっていると、さらに声をかけにくいです。
ですが従来のように上司が偶然近くを通ることもなく、用がなければ誰からも声はかけられません。

それでも仕事を進めていくためには率先してコミュニケーションを取る行動が求められます。

仕事に集中できる作業環境を自分で整備する

会社で業務するなら、職場の環境は会社が用意します。
机や椅子、PCのような設備から、周囲に声かけしやすい座席のレイアウトなど、仕事で必要となる環境は準備されます。

それがテレワークとなると、メンバが自分自身で環境を準備する必要があります。
家の状況や家族の都合であったりと、人によって事情が異なってきます。

場合によってはメンバに余計な負荷となる場合があります。

リモートマネジメントで変わること

先に述べたメンバの環境変化を考慮したうえで、マネジメントの仕方を見直します。

「 メンバの自立行動が求められる 」の対策

上司がメンバに対して逐一指示を出すのではなく、メンバが自分で行動するための支援する方法を考えます。
自分で行動するための支援とは、次のような方法が考えられます。

作業の目的と計画の明確化

業務遂行前に、作業の目的と計画、ゴール設定をメンバと話し合います。
作業の具体的なプロセスまで全部指示を出すと、自立した行動にはつながりません。
指示を受けたことしか行動できなくなるためです。

そこでメンバが判断できる範囲で自分で考えてもらい、必要に応じてアドバイスや指導を行います。
もしメンバの自立行動を妨げる要因があれば、それを取り除きます。

その際、メンバには自立行動の意味と成長に向けた取り組みであることを十分に説明します。
人によっては「丸投げされた」と勘違いする人もいるので注意しましょう。
それでも納得しない場合は、後述する業績目標を含めて会話します。

方向性の確認と軌道修正

上記で明確化した目的と計画をもとに作業を進めてもらいますが、予定通り進んでいるか定期的に確認する機会は必要です。
もし問題や課題があれば、必要に応じて指摘やアドバイスを行います。
メンバの抱えている不安や悩みがないかヒアリングすることも大切です。

対策として、例えば1on1のように定期的に状況を確認する場を設けます。

「率先してコミュニケーションを取る」の対策

もし問い合わせをしたくても相手や方法がわからなければコミュニケーションを取るのが難しくなります。
そのため、あらかじめコミュニケーションルールを作ります。

ルール例

・問い合わせ内容によって質問する相手を決める
・リモート朝会やチャットルームなど、誰に聞けばおいか聞きやすい場を設ける
・上司はあらかじめスケジュールに質問を受け付ける予定を設定する
・会議の準備や進行のルールを設定する
・業務時間外の電話やチャットのルール (メンバのプライベート確保)

スケジュールがいつも埋まっている人は3つ目の「質問を受け付ける予定を設定」はオススメです。
この枠をセッティングするだけで、メンバからの質問や意見が活性化されます。

ちなみに ルールを決めず、後付けで「〇〇すべきだ」と指摘されても誰も納得できません。
注意しましょう。

「作業環境を整える」の対策

作業環境についてはメンバの状況によりますが、課題や問題点があれば相談に乗るところから始めます。
設備などのインフラや、そもそも自宅が作業場所として向いていない場合は設備手配やサテライトオフィスなども視野に入れて検討します。

とはいえ、会社の方針や予算もあるので対処が難しい場合もあります。
だからと言って放置するとメンバが可哀そうです。
メンバのモチベーション低下であったり、組織への不満が高まる可能性もあります。
会社側に相談したり、できる範囲で改善方法がないか検討するなど「放置していない」という姿勢を見せることは大切です。

テレワークで求められるマネジメント

次に、マネジメントの視点からテレワークで必要となるアクションについて考えます。

メンバの情報を自ら取りに行く

対面で仕事をしていた時は、相手の様子がうかがえるので相互にコミュニケーションを取りやすい環境でした。
また「偶然」「何かのついで」という機会で会話することもできたのは、今から考えると対面のメリットだったと思います。
それがテレワークでは困難になり、メンバの状況が把握しにくい状況になりました。

つまり、自然と情報が入ってこなくなったのであれば「自分から情報を取りに行く」しかありません。
※「何かあったら相談して」と言って、本当に相談もらった記憶がありません。

これはマネジメント側の負荷を高めるものですが、それを疎かにするとチームの状況が図れなくなります。
その点を考えても、マネジメントの負荷を分散するためにメンバの自立行動は重要になってきます。

メンバの自立度を見積もる

先ほどから「自立して行動」と言っていますが、全てのメンバが自立して行動できるわけではありません。
新人であったり、まだ作業に慣れていないメンバのように、手厚い指導が必要な場合もあります。
そのため、どのメンバなら何まで自立させられるか見積もったうえで作業をアサインします。

業績目標を話し合う

テレワークにおける困り事として、メンバのソロワーク化(チームワークではなく一人で仕事している感覚)が挙げられます。
周囲に人がいないため、まるで自分ひとりで仕事をしている気分になったりします。
そのうち、組織への帰属意識が薄れていくこともあります。

そのようにソロワーク化しないためにも、組織に求められていることや、現在の業務が全体から見たときの位置づけなど、広い視点で会話する機会が必要です。
中長期の計画をメンバと話し合うことで、日々の業務における仕事への納得感が変わってきます。
目先の成果だけではなく、全体の視点を共有していきましょう。

おわりに

今はテレワークにおけるごたつきはありますが、その問題もマネジメントの仕方によって改善できる部分は大いにあると考えています。
少なくともテレワーク(自宅でなくてもリモートワークの活用)にはメリットが多いため、今後も活用されていくでしょう。
メンバとの物理的な距離は離れても、コミュニケーションが十分に取れれば心の距離は縮めることは出来ます。
上手く活用していきましょ。