【目次】
・概要
・フェーズ終結
- 実施すべき作業が完了していること
- 成果物の受入が完了していること
- 残課題と申し送り事項
- 振り返り
・プロジェクト終結
- 契約が完了していることを確認する
- 納品
- 顧客からフィードバックをもらう
・プロジェクトが中断した場合
概要
各フェーズ完了時、またプロジェクト終結時に実施すべきことがあります。
事務的な作業以外では以下のことを行います。
- 残課題がないか確認する
- 振り返りを行い、教訓として次に活かす
ちなみにプロジェクト終結は「プロジェクト完了する」とは限りません。
何かしら理由によりプロジェクトが中断することも含まれます。
フェーズ終結
実施すべき作業が完了していること
成果物作成、顧客と取り交わした作業の完了を確認します。
定期的に進捗報告を行っていれば問題が起きることはありませんが、抜け漏れなどないことを確認します。
ありがちなのが、顧客から「そういえば、例の件どうなっていますか」と言われることです。
会議の中で話題に上がった程度で管理が曖昧になっている課題やタスクなど、改めて確認する場を設けると意外と出てきます。
次フェーズに入ってから言われると対処が難しい場合もあるので、改めて確認していきましょう。
成果物の受入が完了していること
成果物が顧客に受け入れてもらっていることを確認します。
成果物の作成状況は進捗管理で確認されているので問題ないでしょうが、それらが受け入れられているか確認する必要があります。
要件定義書や設計書を顧客に承認印をいただけているか、もしくは仕様凍結の合意を得ているかなど注意します。
次フェーズに入った後に顧客から「承認していない」「上長からNGもらった」と言われる場合があります。
残課題と申し送り事項
フェーズ内で全ての作業が完了しているのが理想ですが、事情により次フェーズに持ち越す課題や作業が発生することがあります。
そのような時は残課題と対応方法、予定時期を明確化して顧客と合意を取ります。
これらを申し送り事項として管理し、次フェーズでWBS化するか課題管理で対処します。
いずれにせよ前フェーズの積み残しであるため最優先で対応する必要があります。
振り返り
チームメンバを集めて作業内容の振り返りを行います。
フェーズ終結では、実施した作業内容について「良かったこと」「悪かったこと」を振り返り、次フェーズに向けて改善点を検討します。
プロジェクト完了時には、プロジェクト全体の振り返りを行います。
この振り返りは、メンバやPMが成長する最高の機会です。
日常の業務では気づかないことも後から振り返ると反省点は見つかりますし、良かったところを意識できれば次に活かせます。
また他メンバから指摘されることで新しい気づきも得られます。
他メンバの「こんなところに気を付けている」といった暗黙知(属人的な知識)を知ることができれば、それを自分に取り込むこともできます。
プロジェクト終結
プロジェクト終結では、フェーズ終結で実施することに加えて以下の対応を行います。
契約が完了していることを確認する
契約関連は取り扱いを間違えると大問題になります。
契約完了手続きや支払い手続きなど完了していることを確認します。
納品
成果物を納品作業が完了していることを確認します。
契約時に取り決めた内容で成果物が納品されていることを確認し、内容に問題がないことを顧客に合意します。
ちなみに納品方法は顧客によって様々で異なります。
今でも紙納品の場合もありますし、納品の細かいルールが取り決められている場合もあります。
これらは契約時点で明確にしていると思いますが、プロジェクト立ち上げ時点で顧客とすり合わせている必要があります。
この納品作業だけで、大量の工数が発生する場合もあります。
顧客からフィードバックをもらう
開発者側と顧客の視点では異なる点が多いのですが、システム開発を請負うベンダが意識すべきは利用する顧客が満足できるシステムを提供することです。
システムの完成度を開発者視点のみで測ってはいけません。
そのため顧客からのフィードバックをもらうことで、チームやメンバに新しい気づきを与え、成長につなげることができます。
どのような対応をすれば顧客に満足してもらえるか知ることで、次から取るべき選択肢が増えます。
プロジェクトが中断した場合
プロジェクトの失敗、事業環境の変化に伴うプロジェクト意義の喪失など、プロジェクトは中断される場合があります。
もし契約関連で揉めるようであれば必要に応じて対処していきますが、それとは別に成果物の整理などする必要があります。
中断したとしても、それまで作成した中間成果物は納品することになります。
また外部ベンダに発注している場合は、逆に中間成果物を受領します。
プロジェクト・フェーズ終結については以上となります。
プロジェクト管理の全体については「プロジェクト管理の全体解説」を参考にしてください。