概要
プロジェクトを開始するとき、キックオフミーティングを開催します。
ここではプロジェクトの関係者が集結し、プロジェクト計画や方針について全体合意を取っていきます。
メンバが大人数のため全員参加できない場合でもチームや組織の代表者などリーダクラスは必ず参加します。
ここでプロジェクトの計画や基本方針について説明を行い、全体合意します。
キックオフミーティングの目的
キックオフミーティングの目的はチームが目指すべきゴール設定と進め方の合意を共有して全体で合意することです。
そうすることで初めてプロジェクトのチームとして立ち上がります。
ちなみにキックオフミーティングの成否はプロジェクトの結果につながると考えています。
事前準備が十分で、うまく全体合意がとれたならプロジェクトであればプロジェクト運営もしっかりできます。
逆に準備不足や開催意図を理解していないために、キックオフミーティングが中途半端な内容だったり形式だけの中身のない内容のプロジェクトは、その進み方もイマイチだったりします。
少なくともキックオフが不十分なのにキッチリとマネジメントされているプロジェクトを、私は見たことがありません。
プロジェクトメンバも、キックオフがグダグダだと「このプロジェクトは大丈夫か?」と心配になります。
スムーズにプロジェクトを立ち上げるためにも、しっかりと準備してキックオフミーティングに挑みましょう。
事前に準備すること
全体合意を取る場であると言いましたが、キックオフミーティングは議論をする場ではありません。
メンバからの質疑応答はあるでしょうが、役割、スコープ、スケジュールについて認識が違うと議論が始まるようではキックオフできません。
メンバ同士で「その認識はなかった」「これは、あなた方の仕事でしょう」など言い合うキックオフでは、プロジェクトを進めることはできません。
キックオフミーティングを始める前にプロジェクト計画書を作成しますが、その中で上司の承認を得るだけでなく、関係者への事前調整を行っている必要があります。
計画を実行できること(フィジビリティ)を確保することは大切です。
全体集まっての会議なので多少の軌道修正はあるかもしれませんが、計画の大枠は合意だけの場となるはずです。
キックオフミーティングで抑えるポイント
プロジェクト計画の全体合意
プロジェクト計画の作成時、事前調整などで主要メンバは内容を把握していると思いますが、あえて合意を取ります。
必要なのは全員が計画を支持することであり、合意とは「この計画(ルール)は守ることを約束する」ことです。
それを全体の場で行います。
ちなみに「この内容に異議のある人はいますか」という問いかけは有効です。
人は誰かに一方的に決められたルールよりも、自分たちで取り決めたルールは守る傾向にあります。
この問いかけを行うことでプロジェクト計画を渡すだけの場合よりルールが守られる確率が高くなります。
合意事項
合意事項はプロジェクトによって異なると思いますが、基本的にプロジェクト計画の合意は取ります。
その中でも、以下の項目はプロジェクトの屋台骨だったり、メンバ間の連携で必要となることなので、必ず合意を取ります。
- プロジェクトの背景と目的
- スケジュール
- スコープ
- 体制図と役割
- コミュニケーションルール
参加メンバの顔合わせ
外部調達したベンダや新しいメンバなど、初めて会う人がいる場合は相手の顔を知ることは重要です。
人がコミュニケーションを取る場合、相手がどのような人物なのか知っているだけでも敷居は大きく下がります。
お互いビジネスで付き合っているので必要なコミュニケーションは取るのが当たり前ですが、顔もわからない相手に依頼や指示を出すのは、やりにくいものです。
自己紹介など交えて交流する機会はキックオフくらいしかありません。
是非とも、この機会を活用していきましょう。
キックオフミーティングについては以上となります。
プロジェクト管理の全体については「プロジェクト管理の全体解説」を参考にしてください。