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DXは変革活動 – DXを成功させるために知るべき6つのポイント

はじめに

DXという言葉が身近になっています。
これは経済産業省が企業に対してDX導入を推奨していることからもわかります。

近年、IT技術をビジネスに積極的に取り組むことで市場に大きな変革が起きており、次々と新しいサービスやビジネスが産まれています。
ここで注目すべきは、アイディアひとつで大企業と競えるビジネスを作り出すこともできるという点です。
クラウドサービスを利用すれば高額な設備投資も不要であり、すぐにサービス提供することができるため、突如として強力なライバルが現れるかもしれません。

IT活用は現代のビジネスにとって必要不可欠な存在になっています。

しかし、実際に「DXとは何ですか?」という質問に答えられる人は多くないように感じます。
そこでDXを成功させるポイントを含めながら、DXとは何かについて説明します。

DXとは

デジタルを使った変革活動

DXとは「Digital Transformation」の略であり、「デジタルを使って変革する」ことです。
ビジネスで使われることが多いため「デジタルを使ってビジネスを変革する」という意味になります。
つまりIT技術を使うことで、今までになかったサービスを提供したり、既存業務を根本的に改善するような取り組みを指します。

DXの定義について、経済産業省の出している「デジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン (DX 推進ガイドライン)」に次のような記述があります。

ガイドライン

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

ちなみにAIやIoTなどの最新技術を使うことでビジネスを変革することもありますが、それら最新技術を使うのは手段の1つであり、目的ではありません。
もっと身近な技術やツールを使うことで変革を行えるなら、それは十分にDXと言えます。
「自分たちはAIのような最新技術と縁遠いから」とDXをあきらめる必要はありません。

IT化とDXの違い

従来のIT化とDXの違いは「既存業務のシステム化」と「業務やプロセスの変革・創造」にあります。
これまで既存業務を効率化するためにシステム開発することが多く、既存業務の支援や業務拡張することが一般的でした。
すでに存在する業務があるため、ウォーターフォールのように初期段階で要件を確定し、それを段階的に設計、製造、テストという流れでシステム開発が行われます。

ところがDXは未知の業務を新規開発したり、既存業務プロセスを変革することを目的としているため、完成形が見えない状態で開発することがあります。
そのためスクラムなどアジャイル思考でトライ&エラーを繰り返しながら開発することが求められます。

DXを成功させる6つのポイント

ここではDXを成功させるためのポイントを6つ紹介します。
DXとは何なのか、このポイントを知ることで理解を深めることができるでしょう。

DXの目的はビジネス環境の激しい変化に対応するための手段なので、1回実施して終わりではなく、継続的な取り組みが必要になります。
継続的に取り組むために何をする必要があるのか、考えてみると良いでしょう。

経営層が主導する

DXを導入する目的として、ビジネスであれば事業や業務プロセスを変革することが挙げられます。
そのためDXを推進するには経営層の裁量が必要になる場合が多くあります。
経営層が直接参画したり、全社的にDX推進することを公的に宣言することで、組織横断的に活動することを支援します。

DXで失敗する理由に、従来のシステム開発と同じ感覚で外部委託ベンダーやシステム部門に丸投げすることが挙げられます。
ベンダーやシステム部門などに自社の事業見直しを丸投げしたところで上手くいくはずもありません。

ビジョンを明確にする

何より必要となるのが「なぜDXを推進するのか」といったビジョンを明確化することです。
「AIを導入して事業を効率化する」のように、事業を将来的にどうしたいのかわからない目標では失敗します。

ビジョンを設定するには、経営課題の洗い出しと将来のありたい姿を描きます。
このビジョンを明確化し、DX推進チームだけでなく社内全体に浸透させることで、強い推進力を得ることができます。

DX推進の体制を作る

DXでは事業変革を目的としているため、メンバが他作業を兼務しながら片手間で行う作業ではありません。
DX推進チームを立ち上げて業務に専念してもらう環境が必要になりますし、現場部署との連携も必要になるため、サポート体制や権限委譲も行います。

アジャイルを導入する場合、専門チームに多くの経験を積ませることで、より成果の出るチームに成長することも期待できます。
むやみにメンバを入れ替えると、せっかく成長したチームの経験が生かせなくなるので、将来を見据えて要員調整します。

指標値データの収集

変革にはゴール設定が必要です。
設定したゴールが「経費を削減する」「ユーザ数を増やす」のように具体性がないと、何をどれだけ取り組めばよいか判断できません。
「〇〇を30%削減する」「〇〇のユーザを50%増やす」のように指標値を設定することで、ゴールに向けての取り組み方針が決まります。

またDXを実施した結果の成否を判断する評価材料にもなります。
目標値がなければ「何となく成功した?」という中途半端な結果になりかねません。

指標値を出すためには、事業の各種情報をデータ化することが求められます。
もし従業員の作業効率を向上させるのであれば、各従業員が何に時間を使っているのかデータ収集する必要があります。
データが集まっていれば改善事項が見つかるかもしれません。

データ収集には相応のコストがかかる場合もありますが、事業改善の投資として考え、できる範囲で情報収集しましょう。

トライ&エラー

DXは既存業務のシステム化とは異なり、新しい価値を作り出すことが目的となります。
既知でなく未知を進めるため、DXの取り組みが必ず成功するとは言えません。
そのため、ある程度の失敗は許容する風土は必要です。
失敗しても経験値を積むことで次に活かすことができます。

もちろん、経営にダメージを与えるような失敗をしないように、取り組み内容に問題ないか経営目線でチェックする必要はあります。

はじめは小さい改善から

DXを始めるにあたり、大切なことは小さな成功体験を積むことです。
というのもDX推進は全社的な取り組みになるため、多くの人の協力が必要不可欠になります。
組織として大きな旗を振ったとしても、社員全員が前向きに協力してもらうことは難しいのが現実的です。
小さくても良いので、DX推進活動の成功が全体にメリットがあることを理解してもらうことが大切です。

DXの取り組みに慣れていない状態で大がかりな改革を行っても、DX推進チームの経験値が少ない状態では失敗の確率が高いです。
そのような失敗が続いたら、誰も積極的に参加してもらえなくなります。

だからこそ、小さい改善を素早く成功させることで、DX推進チームの経験を積むだけでなく、全社取り組みとして推進力を高めることにつながります。