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プロジェクト管理の全体解説 – 立上げ/計画/実行/コントロール/終結

プロジェクトの終結

プロジェクトが完了したら終結に向けて事務的な作業を行います。
具体的には次のような作業です。

  • 全ての作業が完了していることの確認
  • 成果物の納品
  • 発注手続きが完了していることの確認
  • 最終報告書の作成
  • 実績値の収集
  • プロジェクト成果物の整理
  • 振り返り

この中でも忘れていけないのが実績値の収集プロジェクト成果物の整理振り返りです。

実績値の収集

品質分析を行うとき、不具合発生の基準値を算出するために過去プロジェクトの実績データから算出した指標値を使用します。
この指標値は収集量が多いほど精緻化されていくので、プロジェクトが完了したらデータ収集します。
例えば、プログラム製造を行うプロジェクトでは以下のデータを工程ごとに収集します。

<設計書>
・設計書のページ数
・作業工数
・レビュー時間
・レビュー指摘件数

<製造テスト>
・プログラムのステップ数(追加/変更/削除)
・作業工数
・ソースレビュー工数
。不具合件数

プロジェクト成果物の整理

納品するための成果物とは別に、プロジェクト管理で作成したドキュメント関連を整理します。
例えばプロジェクト計画書や課題管理、不具合一覧表などが該当します。

これらの資料は別のプロジェクトを立ち上げる時に参考となります。
また課題や不具合一覧などは、発生した事象と対応方法が役に立つこともあるので、見たいときに探せるようにします。

また当事者だけでなく同じ部門メンバなど共有できる範囲に対して提供できるように、特定の共有フォルダにまとめて管理することも有効です。

プロジェクト反省会

プロジェクト完了時、メンバを集めてプロジェクトの振り返りを行います。
次も同じチームで活動するとは限りませんが、経験を明確にすることで良い点、反省点を意識して取り組むことができます。
これによりメンバに気づきを与え、次のプロジェクトに活かすこうとができます。

ちなみに振り返りを行う場合はKPT法を利用するとわかりやすいです。
下図にあるKeep、Problemを洗い出し、そこからTryを検討して記載します。

次のプロジェクトではKeepの継続すること、Tryのアクションを意識して行います。
これらをプロジェクト計画のプロセスに反映するのも良いです。

KeepとProblemの洗い出しではブレーンストーミングを利用すると良いです。
例えばメンバに付箋を渡して思いつくことを書き出し発表します。
この反省会ではメンバ全員から意見を聞くことが大切なので、声の大きい人の意見が集中してしまうことを防ぐためです。
また人によっては会議の場で手を上げるのが苦手な人もいるので、発言しやすい方法を選ぶとよいでしょう。

もし何を書けばよいか漠然としてわからない、ということであれば、次の観点について「よかった/悪かった点」を聞くと意見が出やすいです。

  • 成果物の品質、顧客満足度
  • コスト、工数
  • スケジュール
  • プロジェクトの進め方
  • やりやすかったこと、やりにくかったこと

プロジェクトが終わってから時間が経つとメンバを集めることが難しくなります。
また次のプロジェクトに意識が行くため、意見も出にくくなります。
そのためプロジェクト完了と合わせて実施しましょう。

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