・プロジェクトマネジメントとは
- はじめに
- プロジェクトの成功とは
- PMBOKの基本
・プロジェクト立ち上げ
・プロジェクト計画
・プロジェクトの実行
・プロジェクトの監視・コントロール
・プロジェクト終結
プロジェクトマネジメントとは
はじめに
プロジェクトは一般的に複数人でチームを作り、期間内に目的を達成するための活動です。
このプロジェクトを成功させるためにはチームを取りまとめ、ゴールに向かって進めるためにプロジェクトをマネジメントする必要があります。
では、プロジェクトを成功させるためには、どのようなマネジメントをすればよいのでしょうか。
成功を確約できるような方法はありませんが、フレームワーク化されたマネジメントプロセスはあります。
それがPMI(プロジェクトマネジメント協会)の知識体系ガイドであるPMBOKであったり、SCRUMといったアジャイルで使用するフレームワークです。
プロジェクトではマネジメントのフレームワークを選定し、プロセスをテーラリング(カスタマイズ)しながらプロジェクト計画を作成します。
このプロジェクトマネジメントを学習するメリットは、プロジェクト手法を知るだけでなく、プロジェクトマネジメントの共通言語を知ることでステークホルダーとの意思疎通をするためです。
ここで解説する言葉はマネジメントで一般的に利用することなので「自分だけ知りませんでした」では困ることになります。
そこで普及しているPMBOK第6版をベースに、ウォーターフォール型プロジェクトのマネジメントについて解説します。
プロジェクトの成功とは
プロジェクトマネジメントの解説を始める前に、そもそもプロジェクトの成功について考えてみます。
一般的にはQCDを全て達成することで成功と言われます。
Q:Quality(品質)
C:Cost(コスト)
D:Delivery(納期)
上記に加えてRisk(リスク)を追加してQCDRということもあります。
ここで注意すべきは品質です。
ただ「システムに不具合がないこと」ではなく利用者や顧客が価値あるものを提供することが大切です。
コスト、納期を守り、不具合も出ていないシステムを構築したとしても、使ってみたらイマイチで使われなくなるようなシステムは品質がよいと言えません。
これらを満たしてプロジェクト成功させるために、正しくプロジェクトをドライブする必要があります。
ちなみにアジャイルで開発する場合は考え方が異なるので、スクラムをベースにした開発手法の解説を参考にしてください。
PMBOKの基本
PMBOKでは、10個の知識エリアがあります。
これはプロジェクトマネージャが管理する領域をまとめたものと考えてください。
ここで知識エリアに関する概要を記載します。
統合マネジメント
プロジェクトの進め方、管理方法を定義します。
プロジェクトを計画、実行するとともに、プロジェクトが正常に推進しているか監視をします。
プロジェクト完了するときの終結プロセスも実施します。
スコープマネジメント
プロジェクトの作業範囲や成果物を定義します。
ここでは要求事項の収集、スコープ定義を行います。
納品時、成果物の妥当性を確認するための検証方法も定義します。
スケジュールマネジメント
プロジェクトの納期を遵守するためスケジュール管理を行います。
タスクを細分化し、優先順位設定、所要期間の見積もり、詳細スケジュール作成を行います。
コストマネジメント
プロジェクトの予算管理を行います。
作業タスクを完了するためのコストを計算し、積み上げて予算策定します。
品質マネジメント
ここではプロジェクトで作成する成果物の品質、およびプロジェクト自体の品質を管理します。
プロジェクト品質とは、プロジェクト遂行するプロセスに問題がないか監視し、必要に応じて是正処置を行います。
資源マネジメント
メンバなどの人的資源、機器などの物的資源を管理します。
また、プロジェクトチーム力を向上させるための育成を行います。
コミュニケーションマネジメント
ここでは会議設定を行ったり、メンバ間やステークホルダーとのコミュニケーションを円滑にするための方法を設定します。
コミュニケーションが十分に取れていない場合、改善に向けた取り組みを行います。
リスクマネジメント
プロジェクトには想定外の事象がおきるため、リスク管理を行います。
リスクの洗い出し、対策の計画、リスク分析、リスク発生時の対策実行を定義します。
調達マネジメント
外部業者からサービスや物的資源を調達したり、外部委託する場合の管理を行います。
見積もり、契約などのやり取りも含みます。
ステークホルダーマネジメント
ステークホルダーはプロジェクトに関係する利害関係者全体を指します。
プロジェクトメンバや顧客、利用者など範囲は様々です。
プロジェクト推進にはステークホルダーが十分に参画している必要があるため、適切に関与してもらうよう働きかけます。
次からは、プロジェクトマネジメントのプロセス群をもとに、プロジェクトマネジメントについて解説します。